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オレンジの繁殖方法(切り接ぎ)
切り接ぎ画像

 野菜や穀物は種を播いて個体数を増やしていきますが、果樹は遺伝的背景が固定していないため、種を播いても親と同じ品質のものを作ることができません。そのため、数を増やす際には親の枝を他の木に接ぐことで親と同じもの(クローン)を増やしていく「接木」によって繁殖を行います。
ここでは他の柑橘の枝を切ってナルトオレンジの枝を接ぐ「切り接ぎ」という方法をご紹介します。この方法を使うと、一本の木に色々な柑橘を生らせることができるので、是非試してみてください。

いつ行えば良いの?

気温が上がり、芽が動き始める4月〜6月が最適です。活着率は下がりますが、水さえ上げていれば10月まで接ぐことができます。

どんな道具を使うの?

必要な道具は「よく切れる刃物、剪定バサミ、接木テープ」の3種類です。刃物は穂木と台木が接する面を削るのに使用しますので、切り出しなどの木を削りやすい物が使いやすいです。接木テープは園芸店などで簡単に購入できます。

切り接ぎの方法
1穂木の準備
  • 穂木夏枝
  • 穂木春枝

まずは穂木(ナルトオレンジ)の準備をします。
穂木は断面が三角形の春枝より、断面が丸い夏枝の方が良いでしょう。

2芽を選ぶ
2芽を選ぶ写真

次にどの芽を接ぐか選びます。芽は枝の表面からぽっこり頭を出しているので、簡単に見つけられます。

3余計な部分を切り落とす
3余計な部分を切り落とす写真

よく切れる刃物で芽の少し下を写真のように削ります。この際、片方を鋭角に、もう一方を鈍角に削ります。後述しますが鋭角な面が台木の内側に、鈍角な面が台木の外側になるように接ぎます。どちらの面も極力平らに削ることがポイントです。上手く削れたら1〜2芽残し、余計な部分を剪定バサミで切り落とします。

4台木の準備
4台木の準備写真

次に台木の準備をします。台木は穂木と同じか少し太いぐらいの枝を選び、剪定バサミで垂直に切り落とします。その後、切り口の角を落とし、写真のように切れ込みを入れます。

5穂木と台木を接ぐ
  • 5穂木と台木を接ぐ写真
  • 5形成層

穂木の鋭角な面が台木の内側を向くように差し込みます。この際、穂木と台木の形成層(削った面の緑色の部分)がなるべく重なるように接いであげるのがポイントです。接いだあとは接木テープで切り口が乾燥したり雨水が入らないようにしっかりと巻いておきます。

6接木の確認
  • 穂木夏枝
  • 穂木春枝

約3週間後に穂木から新しい芽が出始めたら接木成功です。一方、穂木全体が茶色くしなびてしまったら残念ながら失敗です。ですが失敗した部分を切り落とせば何度でもチャレンジできるので、諦めずに挑戦してみてください。

みなさんも切り接ぎに挑戦してみてくださん
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