強い香りを持つ。食のプロの料理人に
「こんなに強い香りのオレンジは初めてだ」と言わしめた。
アルベド(白い綿状の部分)が多く、加工するとボリューミーな
仕上がりとしっとりとした食感が特徴です
果皮は二層に分かれており、オレンジ色部分をフラベド(flavedo)、白い綿状の部分をアルベド(albedo)と言います。
爽やかな酸味を持ち、ほのかに苦く、タネが多いのが特徴です。
果汁が多く、一つの果実で150〜200ml近く絞ることができる。
ジュースとして飲むときは、横に半分に切って皮をつけた状態で絞ると
精油がジュースに加わり香りが増します。
ナルトオレンジの加工品は強い香りを持つ果皮を使ったものが多くあります。果皮をそのまま砂糖に漬けた鳴門漬けや、オレンジピール、マーマレードなどです。果皮には、特に香り成分が多く含む油胞が沢山あるので、良い香りがします。ナルトオレンジの香りを生かした方法と言えます。反対に、果汁は酸味が特徴なので、ジュレやジャムなどにするとさっぱりとしてとても美味しいです。
白い綿部分は苦いから剥いてしまう方がいますが、食感が硬くなり、見た目も小さく、食べ応えがありません。この
家庭では難しいですが、
ナルトオレンジの香りは、色んな人に嗅いでもらってもみんな口を揃えて「独特な」香りと評します。実際に嗅いでみると、ミカンの様な香りでもないし、どちらかといえばオレンジの様な香りに似ているが、どこか違う。
お菓子や料理に使うとその特徴的な強い香りが、より食材の美味しさが引き立ちます。
学生たちと、食肉加工の授業で、ソーセージにナルトオレンジの果汁と果皮を加えて作ったことがあるのですが、燻製の匂いや脂っこうさに負けないほど、ナルトオレンジ独特の香りが立ち、さっぱりとした旨味が肉の味を強くします。
香り成分を見つけ出したり、化合物がどのぐらい含まれているのか量を測る機械です。どのように測定するのかというと、香り中には数百種類ほどの多くの化合物が含まれているので、測定するにはまず一つずつ分離する必要があり、初めにGC(ガスクロマトグラフ)の部分で化合物を選り分けます。次に、一つずつ分けられたものをMS(マススペクトロメーター)の機器で化合物を特定します。
ナルトオレンジの香りにはグレープフルーツや夏みかんの様な青く、爽やかで、フローラル感を持った成分があった。
一方で、カメムシ的な青臭い匂いも含まれていました。カメムシと言われるとほとんどの人が嫌悪感を示されると思います。実際に臭いというわけでなく、本当に極僅かしか含まれていないが、この青臭さがないとナルトオレンジに特徴的なさっぱりとしたグレープフルーツの様な強い香りを感じません。
面白いことに、多く含まれると忌避されるような匂いが、少量ではあるがナルトオレンジ特有の爽快感のある香りを作りだしているということです。