ナルトオレンジは、ほとんど淡路島で生産されてきた柑橘です。夏季まで収穫できる晩柑であり、かつては高級柑橘として都市圏にも出荷されていました。しかし、出荷量は、1970年代半ばの約2800tをピークに激減し、2011年には約130t(農水省「特定果樹生産動態等調査」)となっています。
近年では生産者も十数名となり、現在の生産状況については十分に把握されていません。本プロジェクトでは、学生と共に、ナルトオレンジの生産者の方々を訪ねてヒアリングを行い、現在の生産状況に関する基礎情報を収集しています。今年度は、計12名の生産者にお話をうかがうことができました。
近年では生産者も十数名となり、現在の生産状況については十分に把握されていません。本プロジェクトでは、学生と共に、ナルトオレンジの生産者の方々を訪ねてヒアリングを行い、現在の生産状況に関する基礎情報を収集しています。今年度は、計12名の生産者にお話をうかがうことができました。
12名中9名の方が、現在もナルトオレンジを出荷されており、総出荷量は66tと推計されました(淡路市:42t、洲本市:25t)。総出荷量のうち、加工用は55t、生食用は12tでした。
ナルトオレンジ栽培の担い手は、基本的に年配のご夫婦、もしくはご本人です。ナルトオレンジのみで生計を立てておられる生産者はなく、他の柑橘類、野菜、コメもつくっておられます。後継者は1名を除き、いらっしゃいませんでした。平均年齢(±SD)は、79.4歳(±9.08)でした。
栽培管理の方法は生産者の方針によってさまざまでしたが、高齢化により特に難しくなる作業は、収穫、剪定作業でした。
黒点病、かいよう病、すそ腐れ病、テッポウムシ、ダニ、カイガラムシなどが発生。
一時期流行した生理障害は、最近はあまり出ていないようです。
一時期流行した生理障害は、最近はあまり出ていないようです。
ヒヨドリ・メジロによる食害、イノシシによる下枝の果実・落果の食害、苗木の破損、果樹近辺の土壌撹乱、諭鶴羽山系付近の果樹園では、シカによる葉、果皮の食害が発生。シカ・イノシシに対しては、多くの園で、防除柵が設置されていましたが、鳥類に対しては、防除が困難な状況でした。
2016年1月4日更新 文責:森野真理